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2012年8月15日 (水)

シスカンパニー叔母との旅

演出家の松村武氏の挨拶文。

 

 見通しのきかない森で

 暗号の地図を渡されたような状態だった。

 1センテンスごとに歩を止めて地図を見直す。

 次はどっちに歩いていけばいいのか、

 今まで来た道は正しかったのか・・・・

 森の中は鬱蒼として暗い。

 ・・・・・・・

 まさに忘れえぬ「旅」だった。

 ・・・・・・・

 あの時 僕は この感覚を忘れまいと思った。

 その森を旅する者だけが知る、

 演劇と言う一本のルートがある。

 そこを通らなければ

 決して出会わない風景がある。

 

今夜 稽古のあとに芝居を観てきた。

どうしても観ておきたかった《叔母との旅》。

初演を観そこなった私は 

今回は早い時期にチケットを予約してた。

演出家と役者が ここまで創り上げるのに

どれだけ深い森を歩いてきたか、

その地図を辿りながら 

どれだけ緻密に創り上げてきたか、

同じ演劇界に生きる人間として頭が下がる想い。

どんな作品も 立体化させる過程は 

本当に死にもの狂い。

ましてや この叔母との旅・・・

今 舞台では飄々と歩き廻る役者だけれど、

その深い森を手探りで 時には転びながら

このながい旅を終えたのだなと。

観られてよかった。

 

 

 

 

 

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